第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
俺ばっかり浮かれてて
お前はそれに
「…そうだな、ダメ、だな」
『影山くん、あのね…』
「悪かったな、布施」
付き合ってくれてただけだったのか?
やっと国見に背中を向けた布施に
思わず漏れた声
『え?』
「いや、なんでもない。
帰ろう。皆待ってる」
何が正解なんだろう。
このまま布施の優しさに甘えて
お前を繋ぎ止めるのと
『うん…そうだね
今日…この後…なんだけど…』
「とりあえず、着替えに帰る…」
『あ、そうだよね!
試合の後だしね…』
「…おう」
手を離してやる事と。
家に行ってしまえば
きっと止まれなくて
身体だけでも繋がりを感じたいと
お前を抱くだろう
そして抱いたら…
また手を離したく無くなって
優しさに甘えてしまうだろう
『行こっか』
自然と繋がれた手から
伝わってくる温もり
俺に遅れない様にと
少し早足で歩く足元
国見を振り返らず
進む布施に
心は右往左往してしまう