第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
「あの、布施
帰ってますか?」
「えぇ、今お風呂に入ってるから
良かったら上がって
待ってて」
いつもの笑顔で
俺を招き入れてくれる
叔母さんにペコリと頭を下げ
玄関を上がると
フワリと香る晩御飯の香り
「お腹減ってるでしょ?
食べて帰ったら」
即答で”ハイ”と答えようとして
少し言葉に詰まる
布施は体調悪くて帰ったんだし
しかもそれを送りもしなかったわけだし
それなのに飯ご馳走になるとか
図々し過ぎやしないか?ってな。
「どうしたの?」
「いや、あの…実は
今日、布施
体調悪かったみたいで…
それなのに俺…」
そこまで言った所で
「なら、尚更
姫凪の側に居てあげ欲しいな」
叔母さんは俺の声を遮った
「え?」
「体調悪い時は
誰かに側にいて欲しいって
思うものよ
私より好きな人の方が
良いと思うし
それに…二人はもう少し
チャント話した方が
良い気がする。
チャント付き合ったって聞いて
安心してたけど
どこかまだ、ぎこちないのが
気になってたのよね」