第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
「飛雄、ご飯は?」
「彼女の家で…」
「また!?
もう!先に言いなさい
作っちゃったじゃない!」
「…ゴメン…」
不機嫌そうな母親に
小さく答えるのは
伝えなかった事を
反省してるんじゃなくて
「…どうしたのよ?
喧嘩でもした?」
「そんなんじゃない」
布施の事を考えてたから。
「それにしては顔が暗いけど…」
「なんでもない。
風呂入ってくる」
顔が暗い、か。
俺にだって落ち込む時はある。
なんでって
それは…
「…俺のボケ…
もっと気の利いた事
言えねぇのかよ
つーか、体調不良のオンナ相手に
盛ってんじゃねぇよ
そもそも普通送るだろ!」
まぁ、そういう事だ。
午後からのアレコレが
全部二択を外してる事に
落ち込んでんだ。
自主練を終えて
「…アレ?布施…は?」
「体調悪いから先に帰るって
落ち着いたらLINE来るんじゃない?」
「…そうスか」
布施が居ないことに
気付くこと自体
褒められたモンじゃない。