第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
こんなに優しいのに
こんなに愛してくれて
大切にしてくれてるのに
私…は…
落ちそうになる涙を
グッと堪えて
『用意するね!
座ってて影山くん』
必死に笑顔を作ってみせる
話す前から泣いてしまったら
きっと有耶無耶になってしまう
落ち着いて
チャント話そう
話して謝ろう
元通りになる為に。
「手伝う」
『ありがとう』
まるで新婚みたいだ、なんて
笑いながら
食卓が仕上がっていく
『じゃあ、また澤村さんに
怒られたの?』
「おぅ。日向のボケのせいで…」
『仲良くしないと!
練習試合近いんでしょ?』
お腹も膨れ始めて
雑談にも花が咲いて
雰囲気も良くなって
よし、話そう。
そう思った矢先だった。
「そうそう。
青城とな。
及川さん達もいるし
金田一や国見もいるし
負けてらんねぇよ」
不意に出て来た
国見の名前に身体が強張った
そうだ。
練習試合の相手は青城で
そこには国見も…居るんだ。