第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
黙って俯いてる私に
ユックリ近付く足音
そして
「良かった?
俺のファーストキス」
耳に声が落ち
近くなった体温がまた離れた
ファースト…キス?
国見が?まさか。
驚いて顔を上げると
「なんだよ
勝手に彼女居たなんて
思ってもらっちゃ困ンだけど?
俺はずっと
…お前しか好きじゃない」
冷めた顔をしたままだけど
耳まで赤くなった国見が
優しく私を見てた
『そんな事言われても…』
嬉しくないといえば
嘘になる。
国見に好かれる事が
嫌なわけじゃない。
でも、やっぱり
『私が好きなのは
影山くんだよ…』
私の心は何度揺らされても
影山くんに戻ってしまうから
余計に胸が苦しくなる
好きなのに
やっと両思いになれたのに
こんな事になるなんて…
ワガママ言ってでも
送って貰ったほうが
良かったのか、とか
あの時、相談に乗るなんて
軽々しく言わなきゃ
良かったのか、とか
自分の至らなさが
苦しくなった胸を
刺すように突き立って来る