第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
だってきっと
あの人達は影山くんの
彼女の事も知ってるだろうから
その話題がいつ出てもおかしくない
あの日の傷は
まだ治らず疼くのに
更に塩をぶっかける事なんか
したくないよ…。
皆の声が聞こえない所まで走り
足を止めようとした矢先
「布施!待て!」
響いた怒声
『え!?影山くん!?
なんで追いかけて来てるの!?』
「うっせぇ!止まれボゲェ!!」
止まれ、と言われても
あまりの影山くんの迫力に
止まりかけてた足は
またスピードを取り戻す
『や、やだ!怖い!
もう大丈夫だから!!』
「俺が大丈夫じゃねぇだ!
止まれ!早く!」
それでも今にも噛みつきそうな
気迫で追いかけてくる
なに、なに!?
なんで追いかけて来るの!?
更にスピードを上げるけど
ブランクしかない体は
それに対応してくれるわけはなく
「良いから止まれって!!」
私は影山くんの腕の中に
すっぽりと捉えられてしまった