第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
孝ちゃんの時とは
また違った震えが
身体を揺らし
『きゃぁ!』
私は二人に拘束され担ぎ上げられた
「お、おい!
待て、お前ら…」
事態を飲み込めない私の代わりに
孝ちゃんが声を上げると
「諦めなよ、菅原くん
この子(姫凪ちゃん)を
ホントに好きなら分かんでしょ?
どんだけ良い人ぶっても
優しくしても無駄だってコト」
「それな~。
王子様のどんなイケメン行動も
大王様の前じゃ霞むのよ。
アイツが何やらかしても
お姫様はあの大王様のトナリが
良いってさ」
私を拘束したまま
二人が孝ちゃんに言葉を投げた
「なに勝手な事言ってんだよ
姫凪…泣いてた
辛そうにしてたんだよ…
あんな顔させる奴のトナリになんか
置いとけるか…!」
返ってくる言葉で伝わる
孝ちゃんの熱
私を想ってくれてるのが
イヤでも心に入ってくる
「姫凪、行くなよ
俺のトナリで良いじゃん
俺が笑わせてやる…」