第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
荒げた声に我にかえり
「ごめん、先に行く
適当に頼んでゆっくりしてって」
伝票の下にお金を差し込んで
席を立つ
「ちょ、ちょっと徹!?」
付いてこようとした
サクラを置き去りにして
とりあえず駅前まで戻る
小さな人影を探すけど
それらしき姿は見当たらない
やっぱり見間違えなのか?
そう思い直そうとした
その時
「姫凪
元気だせって、なぁ?
せっかくだしデート楽しむべ?」
どこからか聞こえて来た声
この声、知ってる。
もちろん、それに応える
『…でも…やっぱり…』
この声も。
声の方向に目を向けると
姫凪と爽やかクンの姿
「そんな顔してる姫凪を
このまま帰したくない。
だから……な?」
爽やかクンの手が
姫凪の肩にまわり
『孝ちゃん…』
姫凪の目が
爽やかクンを映す
どういうつもりだよ
いつから…ソイツと
ソウイウコトになってんの?