第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「言い難かったら
俺から話そうか?
あ、知られたくない事は
話さんし…」
言い難い。
知られたくもない。
出来るなら無かった事にして
忘れたい…けど
甘えちゃダメだ。
侑を、サクラを
これ以上裏切れない
隠し事もきっと二人を
傷付ける。
『ほな、一個だけ。
…落ち着いたら
侑にチャント話すから…
それまで侑やサクラに言うの
チョット待ってくれる?』
チャント私から話さな。
侑にもサクラにも。
私から全部始まったんやから。
グッと伸ばした背筋
私を見る治くんの目を
見返して
"ありがとう、もう大丈夫"
そう言おうと思ってた矢先
「治ー!姫凪ー!
どこやー!?」
響いた侑の声に喉がヒュッと
苦しい音を鳴らした
どうしよ。
早く返事せな!
焦れば焦る程
喉が張り付いて
音は一向に言葉にならない