ヤンデレヴィクトル氏による幸せ身代わり計画【完結済】
第1章 契約の話
桜が目を覚ました時に目に入ったものは知らない天井であった。
そして次に目に入ったのは、すやすやと眠っている端正な顔立ちの男。
「ひぇ、やらかした…」
有難いことに記憶は全てあった。
しかしその内容は忘れてしまっていた方が幸せだっただろう。
なんせ彼女は、同情でヴィクトルと体の関係を持ってしまったのだから。
昨夜、ヴィクトルは桜にある話を持ちかけた。
ロシアの英雄ヴィクトル・ニキフォロフコーチ兼選手は、愛弟子を性的に愛しているけど、その思いが叶いそうにないので身代わりに抱かせてほしい、行為の最中は愛弟子の名前で呼ばさせて貰う、その代わり報酬は弾む。
ーー可哀想だし1回だけならいっか、お金もくれるって言ってるし…
そうして了承してしまったのは酔いのせいではあるけども、元々貞淑な彼女にとってそれは頭を抱える事案であった。
「(なんでこうなった?この人相手なんて選り取りみどりでしょ?なんで私?黒髪だからだよね、うんそうだよ、それだけだよね。
とにかく家に帰ろう、今日は大学休みだから帰って落ち着こう。
大丈夫、私から誘った訳でも襲った訳でもない、たまたま、黒髪の女を見つけたから今回抱かせろと言ってきただけだ。さっさと帰ろう、そうしよう)」
混乱する頭でなんとか考えをまとめ、いざ彼女が起き上がったとき、悲劇が彼女を襲った。
「い、いたいっ!」
思わずぽつりと口から漏れたのは、腰やあらぬ所の痛みかはたまた二日酔いによる頭痛のせいか…。
その声に反応して、隣の男が起きたことにも気付かず桜は頭を抱え、どうやって帰ろうかと思案に耽っていた。
「おはよう、サクラ、二日酔いかい?薬を持ってきてあげるよ」
「お、おはようございます…」
「声、掠れてるね。そうだ、昨日あまり濡れてなかったみたいだけど、傷とか出来てないかな?ちょっと見せて」
言うが早いがヴィクトルは刺激を与えないように優しくベッドに倒すと、あろうことか桜の了解も得ぬまま両足を広げ、昨夜酷使した秘部を晒け出した。
「ちょ、いや!」
「ちょっと腫れてるね、無理をさせてしまったみたいだ、ごめんね、次から気をつけるよ」
つぅ、と裂け目をなぞり、探るように内部へ入ってきた指に、羞恥と情けなさからとうとう桜は泣き出してしまった。