第1章 ~二番目の、恋~ (及川 徹)
『最初は、
もう、私のこと面倒になったのかな、
って思った。会うとか会わないとか。』
そんなはず、ない。
俺には"ホントは会いたい"と
言ってたくらいなんだから。
『でも、光太郎君、すごく真剣で。
笑いながら楽しそうに話すけど、
でも、自分のことみたいに真剣でね、』
…そして話は、核心へと入っていく。
『ね、光太郎君、それって、
私が合格するまで会わないってこと?』
『…うーん、それ、淋しいなぁ…』
『待っててくれるってこと?』
『…うーん、それ、待てっかなぁ…』
『(笑)ねぇ、そこ、
"待ってる"って言うところじゃない?』
『そうなんだけどさ、
でも俺、正直なんだもん(笑)
半年セックスナシ、耐えれっかなぁ?』
『じゃ、別れる、ってこと?』
『…うーん、それ、考えたくねぇなぁ…
な、綾はどうしたい?』
『…待ってて、って言うと…』
『うん?』
綾ちゃんは、自分でわかってる。
この間、俺に言ってたこと。
『光太郎君のことが、気になる。
他の女の子と遊んでるのかな、とか
光太郎君に我慢させてるよね、とか。』
『…だろ?
そーいうこと気にするところが、
かわいくて好きなんだけどさぁ。
それを…俺のことを…気にする時間が
もったいない。』
『もったいなく、ない!』
『んー、怒っても、か~わいいっ。』
『あ、ごまかした!ズルいよ!』
『ズルくない(笑)
今の、心の声だから。制御不能。』
『(笑)』
『俺、綾のこと最初に"いいなぁ"と思ったの、
負けず嫌いな顔でさ、』
『先輩に怒られてた時、だったね。』
『ほら、俺も負けんの嫌いだから。』
『うん、知ってる。よーく知ってる。』
『だろ?だからさ、』
木兎は、
『悔しがれ。
俺がいなくなることをヤル気に変えろ。
で、目標叶えた時にまだ俺が必要だったら
そん時、俺を捕まえに来い。』
『…そうするしか、ない?』
『…くっそー、
俺がもちっと頭よかったらなぁ。
勉強、教えてやれれば、
一緒にいる意味もあんのに!』
そう言って
心から悔しそうな顔をする木兎を見たら、
綾ちゃん曰く、
『なんか、笑えてきて。』
おかしくておかしくて…優しくて。
『淋しいとか悲しい、とかより、
"そんなに考えてくれてありがと"って。』