第43章 あなたの為なら☆家康
【徳川家康は、上杉・武田との戦いで武田信玄に気に入られ、信長の元を離れる。
その後、かつて仕えていた今川家を武田信玄と共闘し倒す。
しかし数年後、武田軍との内紛が勃発。戦うも敗れ命を落とす。】
『そんな…。』
家康が信長さまの元を去る?最後は信玄さまに殺されるってこと?
『ほぼ史実通りではあるけど、過去の歴史では信玄さまとの戦いで亡くなってはいない。なんせ家康は昔の人にしては長生きでね。75歳まで生きたはずなんだけど…。』
『私が帰らないせいで、死期が早まるってこと…だよね。』
あきらは下唇を痛い程に噛む。
でも、それでも…。
『私、やっぱり現代には帰らない。大切な人を…家康を置いて帰れない。例え家康が私の事なんとも思ってなくても、側にいたい。』
佐助を見つめて迷いのない声で告げる。
『解った。あきらさんは そう言うと思った。
それに、徳川家康は君の事…ま、それは おいおい解るだろうからいいとして。』
ん?何が解るんだろう?
『とにかく何としても生き抜こう。あきらさんは、危ないことは極力避けて。それじゃ、また生きて会おう。』
頷き合うと佐助は姿を消した。
あきらも踵を返し天幕の中に戻る。
『取り合えず、家康の側にいるべきだよね。』
キョロキョロと家康の姿を探すが見つからない。
まさか、もう合戦に…!?
慌てて外に出ると、丁度 家康が中に入って来た。
『あきら之丞?あんた、そんなに焦って どうしたの?』
『え?あ、その…用を足しに!』
ふーん、と興味無さそうに言う家康の背中を追って、また天幕の中に戻る。
『用を足すんじゃなかったの?』
と不思議そうな顔で言われ、
『あー、なんか引っ込んだ!』
と慌てて答える。
家康は肩を震わせて笑っていた。
『あんたは こんな時でも面白いね。気負ってたのが少し楽になった。』
えーと…ある意味 役に立てたのかな?
『家康、あきら之丞、出るぞ!』
声の方を振り向くと、秀吉がこちらに近づいて来ている。
『…あきら之丞も…ですか?』
家康が眉根を寄せて秀吉に尋ねる。
『ああ。お館様が そう言われた。俺は止めたんだが。』
秀吉も眉間に皺を寄せて苦い顔をしている。
私も合戦に参加するって事だよね。だ、大丈夫かな。