第42章 あなたの為なら☆政宗
【伊達政宗は豊臣秀吉の元で数々の戦を制し功績を上げた。
しかし、それでは飽き足らず、関係の無い諸国に戦を仕掛けては戦う日々を繰り返した。
あまりの横暴ぶりに怒った秀吉に罰せられ、流刑にされる。
流刑された地へ送られる途上で自害し、その生涯を終えた。】
『なにこれ!?』
秀吉さんが政宗を流刑に!?っていうか、戦狂いに拍車が掛かってる…。
『いくら政宗が戦狂いでも、関係の無い人達を無差別に殺したりしない!』
憤りを感じながらあきらが言う。
『そうだね。俺も あの伊達政宗が そんな下衆なことするとは思えない。どうして…。』
ん?という顔で佐助がガイドブックを見つめている。
『佐助くん、どうしたの?』
あきらが尋ねると、佐助がガイドブックの一文を読んだ。
『上杉・武田の戦の後、伊達政宗は歌を詠んでいる。
《静寂の 包む闇間に 悔恨す 月は隠れん 我が身の内に》
(セイジャクノ ツツムヤミマニ カイコンス ツキハカクレン ワガミノウチニ)
大勝した戦の後に何故このような歌を詠んだのか謎だったが、近年では、この戦で戦死した織田家ゆかりの武将(あきら之丞)を想い作られたものではないかと言われている。』
私を想って…?
『この歌を見る限り、伊達政宗は何かを とっても後悔していたようだね。』
何かを…後悔?
それが何かは解らないけど、ここで現代に戻ったら私もきっと後悔する!
『ごめんなさい、私やっぱり現代には戻らない。しないでする後悔より、やってする後悔の方がいい。』
佐助を見つめて、はっきりと告げる。
『そう言うと思った。実は俺も帰らないつもりだったんだ。勝手に帰ったら謙信さまが荒れ狂いそうだし…。』
確かに。いや、今でも十分 荒れ狂っているような。
『あきらさんも俺と同じ事を思っただろうけど、多分 口には出さない方がいい。』
ふふっ、と笑い合う。
『…そろそろ戻らないと。あきらさん、お互いなんとか生き延びよう。それじゃ。』
そう言うと佐助は闇に消えた。
この戦の間に死ぬ、と言われても、いつ どこで どうやって そんな目にあうのか解らない。
でも…怖がってても仕方ないよね。
気を取り直し天幕の中へ戻る。
武将たちは まだ話し合いをしているようだ。