第48章 あなたの為なら☆幸村
【真田幸村は、産まれてすぐに武田家の人質となる。
大人になる頃には上杉家の人質として取られる。
石田三成との戦いでは勝利するも、後の徳川家康との戦いでは敗退している。
その後、織田信長との戦に於いて、織田家の若き武将に討ち取られ命を落とした。】
『え…。』
幸村って、信玄さまと謙信さまの人質…だったの?
そんな感じ全然無かったけど。
『ほぼ史実通りだ。真田幸村は、その生涯の多くを幽閉されたり人質として過ごしてる。
ま、信玄さまや謙信さまは、人質だなんて思ってないけどね。
ただ、織田信長との戦で亡くなるはずは…。』
そう言いながら、その先のページを捲る佐助の手が止まる。
『どうしたの?佐助くん。』
尋ねるあきらをチラリと見ると、ガイドブックの一文を読み上げた。
『【真田幸村は、織田家ゆかりの武将(あきら之丞)と懇意な間柄にあった。
しかし織田軍との戦の際、あきら之丞の謀略により、彼の手によって命を絶たれた。】…。』
えっ!?私が…幸村を殺す?
『まさか!』
ありえない事を言われ思わず笑いが出る。
『確かに考えにくいけど…この本に書いてある事は事実だ。
望む望まないとに関わらず、きっと君は幸村を手にかけるだろう。』
『そんな…。』
『どうする?あきら之丞さん。君が現代に戻れば、少なくとも幸村は君に殺される事は無い。とはいえ戦だから、他の誰かに殺されるかもしれないけど。』
なんでも無いことのように佐助が言う。
どうしよう、本当に私が幸村を…ダメダメ、そんな弱気じゃ!
悪い考えを断ち切るようにブンブンと頭を振る。
『私は現代には帰らない。私が幸村を…殺めるって言うんなら、そんな自分を止めてみせる!
矛盾したこと言ってるって解ってるけど幸村と離れたく無い。』
苦しそうにあきらが告げる。
佐助は、参った、という顔であきらを見る。
『ここまで言ったら諦めてくれるかと思ったけど…やっぱり無理だったね。
俺も、きっとそうする。あきらさん、ごめん。試すようなことをして。』
ううん、とあきらが首を横に振る。
『もしあきらさんも戦に参加しないといけなくなったら、なるべく強い武将の後ろに隠れているといい。
幸村にも伝えておく。それじゃ、俺は そろそろ行くよ。』