第26章 交差する想い
~国見side~
及「国見ちゃ~ん!おーい!」
下駄箱で靴を履き替えていると、離れた廊下の先からエロフェミニスト・・・またの名を面倒臭い大王が俺に呼び掛ける。
ああいう時、だいたい面倒事や無理難題を言われ、厄介な事この上ない。
気が付かなかったフリをしてやり過ごすか。
うん、それがいい。
上履きをしまい、声の方に背中を向けて歩き出した瞬間、勢いよく肩を捕まれ進行を止められる。
及「捕まえたぁ!国見ちゃん、いま及川さんを普通にムシしようとしてたでしょ??」
チッ・・・捕まったか。
「俺を呼んでましたか?全ッ然、キガツキマセンデシタ」
及「国見ちゃん・・・最後の方、棒読みっぽかったけど・・・ま、いっか!」
アホくさ・・・
「で、俺になんか用事ですか?」
及「そうそう!今日は部活ないじゃん?だからマッキー達とお茶しながら駄弁ろうと思ってんだけどさ、国見ちゃんも来ない?」
うわぁ・・・絶対行きたくねぇ・・・
そんなんに付き合ってたら夜まで解放して貰えない気がする。
「せっかくの誘い悪いんですけど、俺、用事あるんで・・・岩泉さんは誘ったんですか?」
俺はこれから紡に届け物があるから、代わりにいつも一緒の名前を出してみる。
及「それが岩ちゃんてばさぁ、外せない用事が出来たからとか言ってダッシュで帰っちゃってさ?及川さん振られちゃったのさ」
岩泉さんが及川さんの誘いを振り切るとか、今まであったか?
・・・ないよな?
よっぽど大事な用事だったんだな。
「ま、とにかく俺も用事があるんで・・・あ、そうだ!金田一、お前一緒に行ってこいよ?」
金「え?オレ?」
隣に立つ金田一の肩を叩き、そして背中を押し出した。
「及川さん、金田一に女子にモテる為の何たるかってのを教えてやって下さい。そして、金田一の彼女いない歴に早く終止符を付けてやって下さい。じゃ、俺急いでるんで失礼します」
金「ちょっ、国見?!」
悪ぃな金田一。
お前は俺が逃げる為の、言わば生け贄だ。
また捕まる前に学校を出てしまおうと早足で歩く。
そういや、病院の面会時間て何時からだ?
言ってまだ時間じゃなかったらアホだと思われるのも癪だしな。
スマホを取り出し、病院名を入れて検索する。
なんだ、もう面会時間始まってんのか。
じゃ、行っても平気だろ。