第3章 私の本丸だ
薄暗い部屋の中で私は絶句した。
「鯰尾くん、骨喰くん。……ほんとにこれだけしかないの?」
「はい、石川もあの娘も食事は外で済ませてましたから」
食料を保管してあるはずの食料庫には米俵以外に何も無かった。
「お米以外だと、梅干しと塩と漬物と……。もうこのラインナップは非常食に近いな」
資源もなく、自分の刀もまともに手入れできてない状況でよく外食が出来たものだよ。
「しょーがない。 食料は明日届くように手配しておくから、今日はこれでおにぎりでも作ろう」
私の提案に2人は目を輝かせた。
「おにぎり……」
「俺達、食事なんて初めてです!!」
「ーーーーーーーは?」
確かに刀剣男士は霊力さえあれば存在できるらしいけど……。
「一応人間の体持ってるんだから、お腹くらいすくんじゃないの?」
「確かに最初の頃は空腹を感じましたけど、今はそんなの感じません。
なぁ、兄弟」
「あぁ、それに石川は我々に『食事は必要ない。金の無駄だ』と言っていた」
おかしい、テキストにあった本丸への配給の内訳にはは刀剣男士への食費も含まれると記載があった。
私はタブレットの代わりにと、黒服に渡された小型端末で六弥を呼び出した。
操作して数秒、端末から六弥の声が響いく。
『はいはーい。六弥さんだよー』
「………………チッ」
『え、なんで。呼び出したのに舌打ち!?』
やっぱり、上司とは認めたくない。
遺伝子レベルで認めたくない。
「……はいはい。で、今石川は今どこにいるの?」
『石川と石蕗 華なら、政府の管理下の役所で尋問中だけど……』
「それじゃあ罪状に『資金の不正利用』も足しておいて」
私の一言に六弥の声色が変わった。
『………何を見つけたの』
「ココの子達、食事した事ないみたいよ。」
『……っ!! 』
「食料庫に米と漬物以外何も無かった。今晩はここにあるもので凌ぐから、食料の手配よろしく」
『……わかった。また必要な物があったり、何か分かったりしたら連絡ちょうだい』
「りょーかい」
そう言って通話を切ると、後ろで不安げに私を見つめる2人を抱きしめて、「ご飯、食べよっか!!」と笑いかけた。