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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




「ごめんね、秀作く~んっ!随分探させちゃったね―」

すると。
言い終わらない内に麻言は秀作が駆ける方向
―の地面に目が釘付けとなった。
ただその一点に。
みるみるうちに、麻言の目が見開かれていく。

「―しゅっ、秀作君……っ!!」

彼を止めようと、慌てて声を掛けるも秀作は気づかず
駆ける足を緩めない。
―駄目だ“間に合わないっ”!
気づけば、麻言は走り出していた。

いきなり秀作目掛けて走り出した麻言に皆、動揺していた。
否、一人を除いて。
秀作も急にこちらへ向かってきた麻言に戸惑いを見せ、徐々に速度を落とす。
が、止まる気配は見られない。

「わあああああああっ!駄目ぇぇぇっ!!」

更に速度を上げた麻言は正面衝突するかと思いきや、
秀作を突き飛ばし

―姿を消したのだ。

「―っづ、えうっ!!」

その僅か数秒後。雑な衝突音と共に潰れた様な声が上がった。
麻言に突き飛ばされた秀作は尻もちをついて呆気に取られた様に、目の前にある穴を見ていた。
これは、先程まで秀作の往く方向になかった。

「……えっ?何っ?どういう事?」

思わずキョロキョロと辺りを見回す秀作。

「―おいっ、何だよ今の音……っ!」
「って、えっ!?小松田さん?何してるんですか」

騒ぎを聞きつけやってきたのか、紺色の装束三人組が現場へ同時に足を踏み込んだ。
先程の不破雷蔵と同じく五年生―。
竹屋八左ヱ門、久々知兵助。
そして、一人無言の尾浜勘右衛門は周囲の方も警戒している。
先程からその現場で呆然と見ていた忍たま達の中、唯一冷静に見ていた一人が動き出した。喜八郎だ。
そのまま秀作の方向へ真っ直ぐ、しかしゆったりと歩んでいく。
しかし、目前の秀作には見向きもせず穴の手前まで来ると、中を覗き込んだ。
すると穴の中で先程の喜三太同様空を見上げていた麻言と目があった。

「あっ、喜八郎君っ。秀作君は大丈夫っ?」

心配そうな眼差しを送る麻言に喜八郎は一言
「大丈夫~」と言って。

「―まあ、それも大事かもだけど~。とりあえず外出て話聞かせてもらえる?」

変わらずのんびりした口調で何を考えてるか解らない顔。
だが、その言葉には有無を言わさない何かを含んでいた。

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