第26章 Related
長瀬さんが薄らと髭の生えた顎に手を宛て、何かを考え込むように首を捻り、そして
「名前は言わなかったんですがね、何でも弁護士さんが面会に来たらしいんですよ」
「弁護士? その“弁護士”と“松本さん”は何か関係が?」
「いえ…、面識はないと言ってました」
もし面識があるとすれば、自分が知らない筈はない…
そう付け加えて、長瀬さんはまた首を捻った。
「で、その弁護士は松本さんに何と?」
岡田の問に、長瀬さんは“さあ”とばかりに首を横に振った。
その様子から、長瀬さんが話の内容までは把握していないことが見て取れた。
だがしかし、だ…
弁護士が何の契約もなしに、受刑者との接見を行うことは、有り得ない話だ。
私選だろうが国選だろうが、“被疑者”や“被告”からの弁護申請を受けて初めて動くのが常だ。
そこに余程の理由があれば、また別の話なのかもしれないが…
でもそんなことは、極稀な話だ。
「あの…、俺達が松本さんに会うことは可能ですか?」
出来ることなら、一度“松本”本人と話がしたい。
もしかしたら、俺達の知らない“何か”を、松本は知っているのかもしれない。
淡い期待…それで終わってしまう可能性だってなくはない。
でも、こうして何もせずに、ただ手を拱いているよりは、よっぽどマシだ。