第12章 にゃんことわんこ
「何されたの?…言ってみろよ」
「…あ…い、言えな…」
目を逸らして、懸命に彼を拒む。しかしその反応が、余計に彼を煽ったらしい。
「ふぅん…なら」
彼の指が、唇をなぞる。
「試してみる?あんた意外と素直だから、すぐボロが出るだろうけどね」
「…!」
あ、やばい…一松、本気だ。
心臓が早鐘を打つ。逃げなきゃいけないのに、金縛りにあったかのように体が動かない。
また私は…
ザリッ
その時、すぐ近くで砂を踏む音がして、私たちの肩が同時に跳ねる。
「それ以上はだめだよ、一松兄さん」
見ると、いつの間に戻ってきていたのか、目と鼻の先に缶ジュースを持った十四松が立っていた。
笑顔ではあるけど…私たちを見下ろす仄暗い瞳からは、なんの感情も読み取れない。
一松は小さく舌打ちした後、手を引っ込めて私から離れた。
「…早かったね。ここから自販機まで遠くなかった?」
「遠かったよ」「…あっそ」
な、なに…このピリピリした空気は。
二人って仲良しなのよね?少なくとも私にはそう見えたのに…。
「はい、!君の分!」
「え、あ、ジュース?ありがとう…」「どーいたしまして!」にぱっ
必殺の天使スマイル(勝手に命名)で我に返る。あ、あれ、気のせいだったのかしら…
横目で一松を見やる。彼ももういつも通りの無表情に戻っていた。
んー?よく分からない…