第30章 君に捧ぐ誓い【カラ松】※
彼のこんな無邪気な笑顔は珍しくて、その眩さに頭がぐらついてしまった。
これまでの全てをなかったことにする破壊力…普段イタくてナルシストな自称ギルトガイも、なんだかんだやっぱり6つ子の1人であり、兄弟と通ずるものがあるんだなと実感する。
…そうだ。ごたついてて忘れるところだったけど、これだけは伝えておかないとね。
「カラ松」
「ん?なんだ」
「迎えに来てくれて、ありがとう」
「…!!///」
「正確には未遂だけど…って、聞こえてないわね」
顔を真っ赤にさせて固まる彼がおかしくて、自然と笑みが溢れる。さっきまでのいざこざはなんだったのか。
さて、これからどうしよう。せっかく久しぶりに会ったんだし、お茶でも誘おうかな。
「…」
と、誘う前に彼から声をかけられた。いつになく真剣な表情で。
「うん?」
「近々、バイトがなくて暇な日はあるか?今回のお詫びに…いや、それだけじゃないんだが…君と、デートがしたい」
「え…っ!」
まさかこのタイミングでデートに誘われるとは思わなかった。う、嬉しい、けど…
「…俺とデートするのは、嫌か…?」
「!」
少し寂しそうな声で尋ねてくる彼と、まともに目を合わせられない。
嫌じゃない。むしろ嬉しい。でも、
さっきの彼の笑顔を見てから…やたらと心臓がうるさく鳴り響いていて、動揺が隠せない。
それに、今日の彼は強引さがなくて、ひたすら優しいのも気にかかる。きっとさっきのことで落ち込んでいるからなのかもしれないけど…
デートなんてしたら、彼をもっと好きになってしまいそうで。
それが私にとっていいことなのか悪いことなのかは分からない。でも、嬉しいと思う気持ちがあるのなら、
断る理由なんて、ない…
「うん、いいよカラ松。私もあなたと…デート、したいな」
そっと彼の手を握り、見つめ返す。不安そうだった彼も再び笑顔になった。
「本当か!」
「ただし」
「…え?」
***