第4章 松野おそ松という男
「…あれってどれのこと?私を水溜まりに突き飛ばしたり嫌いだって知ってて無理やり虫を触らせたり公衆の面前で派手に転ばせたり夜の校舎に1人置き去りにしたりいろいろあったと思うんだけど?」
「おーすげーよく覚えてんなー。そういやそんなこともあったっけ。で、俺らは母さんにこっぴどく叱られてさぁ」
ケタケタと愉快そうに笑う彼にますます苛立ちが募ってゆく。本来ならここで鉄拳の一つでもお見舞いしてやるところだけど…
さっきの彼の言葉で思い出してしまったかつての自分の気持ちが邪魔をして、そこまで踏み切れない。
拳を握りしめたまま耐えていると、彼は笑うのをやめた。
そして、
「全部だよ。虐めたこと自体全部。…辛い思いさせて、本当に悪かった!」
私に向かって、頭を下げたのだ。
「…!な…っ」
これは…これこそ、夢?私まだ夢の続きを見てるの?
だって、あの悪童たちの長男でありリーダーで一番のクズであるおそ松くんが、私に謝ってるんだよ?ありえない、ありえるはずがない。
でも彼は現にこうして、私に頭を下げている。こんな展開予想してなかったよ!?
…それとも彼がここに来たのは、私への謝罪が目的だったの?
だとしたら辻褄は合うけど…いやいや。まさか、そんなはず…
「…さーて、と。じゃあ十分謝ったし!」「え?」
彼は依然下を向いたまま。しかし何か様子がおかしい。
表情を確認するため顔を覗き込もうとしたその時、いきなり右手が勢いよく突き出された!
「きゃあっ!な、なな、なに?!」
「俺とセ○ロス前提で付き合ってください!!!」
……………
私はクローゼットに隠してあったバズーカを取り出し、それを目の前の変態に向けて照準を合わせトリガーを引いた。
「死ね!!!」ドガァァァァンッ!!Σ「ぎゃーーーーっ!!!」