• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

翼をもがれた竜【気象系BL小説】

第14章 啼き竜


草彅の顔が歪んだかと思うと、背中をギリっとさっきよりも大きな痛みが走った。

「あ…?」

ぽたり、道路になにか落ちた。


血


「ちょっと…待てよ…」

待ってよ。
なんで…?俺…?

草彅の腕を掴もうとしたら、手を掴まれた。

「あんた…楽しかったろうなあ…」
「え…?」
「今まで好き勝手に生きてきてよぉ…」
「なに言って…」

ぐりっと草彅の手が動いたかと思うと、また背中に痛みが走った。

「そうだよな…赤ん坊のまま成長しないでよ…楽しい事しかなかっただろうよ…」

いきなり、女の悲鳴が近くで起こった。
女が逃げていく。
周りに居た通行人が一斉にこちらを振り返る。
ばたばたと周りの人間が走りだした。

「お前は生きてちゃダメな人間なんだよ…」
「は…?」
「人の痛みも、情もわからないようなのが生きてたってなあ…」

草彅の身体が俺を押し上げた。

「ぐああっ…」

内臓をえぐられるような痛み。
思わず声を上げて、草彅の身体を押した。
それでも離れない。

「クソの役にも立たねえんだよ」
「ふ…ざけんな…クズが…」

身体を翻そうと足に力を入れた。
途端、生暖かい液体がズボンの中を伝っていった。

「え…?」
「そのクズに…殺される気持ちはどんな気持ちだ」

ころされる…?

「今までお前が散々殺したクズもなあ…」

俺が…?

「お前みたいに痛かったんだ」

そんなわけねえだろ



俺とクズを一緒にすんな



「まあ、おまえみたいな赤ん坊には…そんなこた、わからねえだろうがな」

ニヤリと笑うと、草彅の身体がもう一度俺にぶつかった。
今度は正面からぶつかった。

その手には…

ナイフが握られていた。



ナイフは…俺の腹に、めり込んでる。

/ 541ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp