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第6章 あたたかい場所


今日行くところは、前々からカエデちゃんと前原君にチラホラと聞いていたところにしようと思い、靴を履いてから椚ヶ丘…それも勝手な事にカルマ君の家の屋根の上に扉を繋げて、そこから地面に移動した。

通行人がいないことは確認済みだったし、見られたところでカルマ君くらいの動体視力がなくちゃ人間だって認識されないくらいのスピードで地面に着地したから、多分大丈夫だ。

そしてそこから少しまた小走りに移動して、遂に目的だった喫茶店である、“Kunugi-cafe”に到着。
やっと着いた!と笑顔な私と、来ちまったよ俺、頑張れよと汗をダラダラと流している中也さん。

私と正反対の顔を浮かべる中也さんだけど、店に入るとそんな顔もすぐに元に戻った。

ドアを開けて中に入り、どこか聞いたことのある店員さんの声にいらっしゃいませと挨拶される。

『ほら中也さん、入りましょ……って、あれ?磯貝君?』

「あ?磯貝って、悠馬か?……悠馬じゃねえか」

「ん?……ええ!?何で二人がこんな時間に」

ウェイターさんの格好をした磯貝君に驚いていると、向こうもこちらの姿を認識して驚いた様子だった。
そしてそれに気が付いたのか、テーブル席の方から声が聞こえる。

「え、白石!?…に、中也さんまで!!?なんでここに…」
「蝶ちゃん来たの!?てかなんで中也さんまで!?」

これまた聞き覚えのある声にそちらを向けば、前原君にカエデちゃん、潮田君と岡島君もそこにいた。

折角だからと皆に促されてその席にお邪魔することにした。

『で、何で明日から旅行なのに皆してこんなところにいるの?それに磯貝君がバイトしてただなんて初耳だよ』

「俺達前からあいつがここでバイトしてたって事、知ってたからな。ちょくちょくここに来てんだよ」

「磯貝君のところ母子家庭らしくって、家計のためにってバイトしてるんだって」

い、イケメンだ…

『な、成程。それで学校にバレてE組に……イケメンでしかない』

「!悠馬、うちの蝶はやらねえぞ」

「い、いいですよそんなに警戒しなくても!」

『あ、中也さんなに磯貝君困らせてるんですか?やっぱりパフェ三つ』

「あ…あああしまった……!!!」

うふふと満足そうな顔をしていれば周りから尊敬の眼差しを向けられるとともに、中也さんが哀れまれていた。

「で、なんで二人がこんな時間に椚ヶ丘に?」
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