第25章 収束への旅路
「…、足りねぇな?…もっと飲ませてくれよ、蝶」
『…ン…ぁ…♡…っん、…ん、ク…ッ♡』
自分で飲んだ方が早いだなんてことは分かっている。
しかし、それでも、こうして飲むのは格別なんだ。
クチュ、クチュ、と彼女の口の中を舌でまさぐって、少しずつ…少しずつ、葡萄酒を何度も飲んでいく。
たまに舌を吸ったり甘噛みしたりして、彼女の身体をまたどんどんと火照らせていく。
己の邸宅でなければ絶対にしない、こんなこと。
俺にだって、こいつを独り占めしてやりたい願望があるんだから。
『ぁ…、ッ…』
「…ごっそうさん。…な?分かった?お前にこんな風にさせて飲むのが好きなんだよ俺は」
『…、かっこぃ……』
「……手前も大概物好きだよ、本当」
『てめえってやだ』
「おっと、これは悪かった…んじゃ、今度は俺が飲ませてやらねぇとな」
ピク、と震えた彼女の身体。
物欲しそうなその瞳で見つめてるのは、葡萄酒なのか…俺からの愛情の感受なのか。
頬を撫でればたまらないといった表情で俺からのそれを待ちわびる蝶に、素直にそのまま口付ける。
ゆっくりと急かさないように飲ませていくと、次第に少し強ばっていた蝶の手から力が抜けてきた。
『…、……ッ…、…♡』
「…、…酒と“こっち”と…どっちが好きでそんな顔してんの?」
『ぁ…、っと、ね…ちゅぅゃさんがいいの…』
「上出来………なんだ?誘ってんのか?」
『んーん…あつい、から………こうしてたら、いっぱいつけてくれるかなって』
自身のシャツのボタンを外し始める彼女は、俺の目の前で暴露する。
そろそろ飲まれてんな、こいつも俺も。
「ばか、それを誘ってるっつうんだよ……どこに付けられてぇの?」
『ぁ、っ…♡…え、と…ぜん、ぶ…ッ』
「…欲張りめ……お望み通りにしてやるよ」
グイッ、と勢いよく葡萄酒をまた飲んでからの記憶は無い。
覚えているのは、ただ目の前の少女が愛おしかったということだけ。
少女が俺を求めていたことだけ。
翌日の朝にもなれば頭も冴えていて、寝室に乱雑に散らばる蝶の衣服と、己のシャツを身にまとったまま寝息を立てている蝶から、容易に何が起こったのかは想像がついた。
あーあ、やっちまった…なんて考えながらも、最早悪い気はしていない。
「…なんでこんなに綺麗なのかねぇ、本当に」