第12章 ⓇMerry christmasの前にⅡ【アレン】
「とりあえず任務報告も終えたし、一度荷物置いてくるからユウは待っ」
「いい」
「え?」
部屋に戻ろうとした雪ちゃんの言葉を遮って、神田くんがその腕を再度掴む。
「俺も部屋に戻る。ついて来い」
「え、でもまだご飯…」
「テイクアウトしていけばいいだろ。どうせその様子じゃ他に怪我していても忘れてそうだし見てやる」
「え。」
きっぱりと言い切る神田くんの言葉に、ひくりと雪ちゃんの顔が引き攣った。
「い、いいよ自分でするから…」
「却下。信用ならねぇ」
「するよそれくらいっちゃんとする!」
「なら見ていてやるから目の前でしろ」
「そんなこと言ってどうせ消毒液ぶっかけてくるんでしょ!?あれ凄い痛いからやめ…や、やだやめやめ…!」
「めーめー煩ぇな羊か」
「誰の所為!」
抗う雪ちゃんを物ともせず、ずるずると引き摺るようにして去っていく神田くん。
あれ、見覚えのある光景だなぁ…止めると神田くん凄く不機嫌になるんだよね…。
「雪さん、助けてあげればよかった…」
「止めとけアレン。あれは手当てと見せかけてのあっちパターンさ。邪魔したらユウに斬られる」
「あっちパターン?」
思わず同情心で見送る私達の中で、ラビくんだけが何か悟ったような顔で頷いていた。
なぁに、あっちパターンって。
「特別なイベントの夜に恋人同士。やることっつったら一つだろー?」
そう言って指で丸く輪っかを作ると、ラビくんは空いた手の指をすぽすぽと出し入れし───…ひ、卑猥…っ
何言ってるの!?
「何、言って…っラビくん!?」
「椛顔赤いさ~♪」
「だ、だって…っ」
確かに雪ちゃんと神田くんはそういう仲なんだろうけど…二人が、その、そういう関係を持ってるだなんて。
想像したこともないから、考えるとカッカと顔が熱くなった。
「あれでいてユウも男さ、ヤることヤってんだろ♪」
「そ、そうなの…」
「そうそぶげふッ!」
「椛に下品な話振らないで下さい」
思わず両手で自分の頬を包んでいれば、笑顔のアレンくんから素早い拳が飛んできてラビくんの顔面に埋まった。
うわぁ…痛そう。