第6章 恐怖の期末テスト。
亀のように布団にくるまった朱里は、普段から想像できないくらい、どうにも滑稽だった。
「そんなに怖いのか?」
『もうっ、もうっ、ほんっっとに怖い!』
すごい勢いで縦に頷く朱里。よっぽど怖いんだな。そして、また雷。今度はさっきのよりも大きいやつ。
『ぴぎゃあああぁぁぁあああっっっ!!!』
「朱里!落ち着け、落ち着けよ!」
半狂乱になった朱里は布団から飛び起きて耳を塞いで叫んでいる。
『きゃああぁぁああっっ!!』
「ばっか近所迷惑だろッ!」
『がげやまぐぅん!!!』
「のわっ!?」
どたんと激しい音がして、次の瞬間視界が反転した。目の前には朱里の頭。
どう、なってんだ?
『うぅぅぅ…怖いぃぃぃ…影山くぅん』
やっと理解が追い付いた。俺の胸に朱里がぐりぐりと頭を押し付けている。手は俺の服をぎゅうっと握りしめて、がくがくぶるぶる。たどたどしいだろうが、背中をさすってやる。すると、震えが少し落ち着いた。
なんだ、この生き物。
「か、かわいい///」
『ふぇ?』
やめろ、そんな目で見るな。
俺が胸の内で理性を抑えるのに苦心しているなど露知らず、朱里は潤んだ目で見つめてくる。
「そんなに怖いか?」
『怖い、怖すぎる。光って音が響いて…』
「だぁクソッ!」
『きゃ!』
朱里の腕を引いて、俺の布団に二人で倒れ込んだ。朱里の後頭部を押さえて俺の胸にくっつけた。
『かっ影山くん///』
「うるせーっ///こうすれば聞こえねーだろ」
『でも///』
「黙ってろ!」
しばらくぶつくさ文句を言っていたが、抵抗するのを諦め、大人しくなった。朱里は俺の胸にそっと手を当てた。
『影山くんの心臓の音…落ち着くね…』
「おう///」
落ち着く、のか?俺のめっちゃドクドク言ってるけど。
『あったかいねぇ…』
「雷鳴ってるけど怖いか…?」
『…ううん。眠たく…なってきた…』
「そうか…おやすみ」
『……おやす…み……………すぅ…』
そうして俺は朱里を胸に抱いたまま、再び眠りに落ちていった。朱里のぬくもりが妙に心地よかった。
【影山side fin.】