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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



10月中旬の土曜日、
私は九州で、"母親"になった。

元気な、女の子。

予定日より3日遅れたんだけど、
ちょうど黒尾さんが仕事の休みで
出産に立ち会ってもらえたから、
もしかしたらこれは、彼女の
産まれて最初の親孝行かもしれない。

産まれたばかりの娘を
恐る恐る抱っこした黒尾さんは、

泣いていた。

…初めて見た、黒尾さんの涙。
よかった。
この人の命を、次に繋げた。
この人の優しさを存分に注げる相手を
作ってあげられた。

私から黒尾さんへの
黒尾さんから私への

一番大きな贈り物。

『アキ、ありがとう…
俺、いいんだよな、全力で愛して。』

『当たり前でしょ、あなたと私が
全力で愛さなくてどうするんですか!』

『…アキ、なんで怒ってる?』

『お・な・か・が・す・い・た!』

娘を抱いたまま、大笑いする黒尾さん。

『看護師さーん、なんか食べ物を…』

…娘は看護師さんに連れていってもらい、
私は分娩台の上で、点滴とかあれこれ、
医療機器につながれたまま、
運ばれてきた食事をガツガツと食べる。

『すげー光景だな。』

『クタクタなんです!』

『あんだけ叫べば、腹も減るさ…』

パシャ。

『あ、ちょっと、ヒドイ!
こんな姿、写真に撮らなくても!』

『記録、記録。
君はこんなに元気な母から産まれたよ、
…っていう証拠。』

反論したいけど、それより、ご飯。

『…あ、名前、どうしましょうか?』

『あのさ、俺がつけていい?』

『マジメにつけてくれます?』

『俺はいつだってマジメよ?』

『“プリンヘッド”は、マジメにつけた?』

『もちろん!
繁盛してるのは、名前がいいからだろ。
な、俺を、信じて。』

『そんな顔で言われたら信じるしかないけど(笑)
名前は“産まれて最初のプレゼント”ですからね!』

『わかってるって。
"贈り物は、相手を思う時間"だろ?
結婚式の日から、
ずーっと考えてたんだから。
絶対、アキも気に入るよ!』

この日から、
黒尾さんはますます優しくなり、
私はますます強く(笑)なり、

立ち止まることの出来ない
"子育ての旅"が始まった。

…うまくいかなくて辛い時は
あのチャペルに集まった家族を思い出す。

みんな
必死で育ててきたんだね。
今、改めて、
みんなのことを尊敬する。

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