• テキストサイズ

銀魂 - 雪月花 -

第53章 相手の承諾を得るのに必要なのは粘り強さ。


とある平日の昼下がり。
隊士達は昼食を取り終えた時間帯で、食堂内は閑散としていた。厨房の調理士達もひと仕事終えた後で、片付けも完了している。葵咲もまた、食堂での業務を一通り終えて、今は一人食堂のテーブルで翌月の献立を考えていた。

そんな葵咲の前に珍客が現れた。総悟である。総悟は静かに葵咲の向かい側へと座り、頬杖をついて葵咲をじっと見つめた。


総悟「・・・・・。」

葵咲「・・・・・。」

総悟「・・・・・。」


何も言わずにただただじっと見つめる総悟。いや、見つめるというより睨むと言った方が正しいかもしれない。総悟の突き刺さるような視線に気付いた葵咲は総悟の方をチラリと見やるが、それでも総悟は何も言わない。沈黙に耐えかね、葵咲は総悟に目を向けて声を掛けた。


葵咲「・・・・何?」

総悟「本っ当~~~に、何もなかったんですかぃ?」

葵咲「…またその話?だから何にもないってば。」


“何もなかったその話”とは、先日の一件の事。葵咲が土方と手錠で繋がれてしまい、一夜を共にした一件である。総悟が疑うのも無理のない話だろう。若い男女が一晩寝床を共にしていた…しかも、少なからず男は女に好意を抱いているのだ。ナニかあったのでは、と邪推を抱くのは当然至極である。とは言っても、土方はまだ全然自分の気持ちには気付いていないのだが。

疑いをまだ晴らせない総悟は、葵咲を睨みながら低い唸り声を出す。


総悟「ホントですかねぃ?」

葵咲「…ハァ。どうやったら信じてくれんの。」


困り果てた葵咲はため息を吐き、目をきゅっと瞑る。そして左手を額に当てて頭を抱えた。そんな葵咲の様子を見て総悟は一瞬ニヤリと黒い笑みを浮かべるが、すぐさまその表情をさっと改め、満面の笑みを葵咲へと向けた。


総悟「俺とデートしてくれたら♡」

葵咲「そっか、なるほどね。…って、えぇ!?なんでそーなんの!?」


思わずノリツッコミ。額に当てていた左手をそのまま勢いよくテーブルへと叩き付けた為、静かな食堂内に『バン!』という大きな音が鳴り響く。面食らったような葵咲の顔を見ながら、総悟はニコニコして続けた。
/ 1390ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp