第18章 白雪
伊佐那 社。
調べても何も出てこない。
ウソをつかれた・・・?いや、そんな様子ではなかった。ならば、
“自分が伊佐那社だと思い込んでいる。”
これが正解か。
それに、触れた時のあの感覚・・・。
怜は御柱タワーの自室でパソコン相手に睨んでいた。
伊佐那社。調べても何も出てこなかったのだ。
戸籍すら存在していない。
制服を着ていたが、学校側は間違いなく関与していない。
たまたまその制服の学生だったのならどこかの学校で検索にヒットしないわけがない。つまり、やはり彼の身体に何かが起きたのだ。
「ねぇ、ここ何処かな?」
声がして、くるりとベッドの方を見る。
十束多々良が、目を覚ました。
怜「・・・安静にしてて。まだ血は足りてないはず。」
多々良「俺、とあるビルで撮影してたハズなんだ。ここは何処?貴方は誰?今は何月何日?」
怜「焦って知る必要はないよ。」
くるりと怜はまた向きを変えてカタカタとキーボードを叩く。
怜「貴方は死にかけた。それは覚えてるよね?」
多々良「うん。だから草薙さんに電話したハズなんだけど・・。」
怜「たまたま近くで空を眺めてたのよ。そしたら銃声が聞こえたから行ってみれば貴方がぶっ倒れてたわけ。・・・多少話はしたけど覚えてないの?」
多々良「・・・あー・・何となく?かなぁ・・??とりあえず俺は生きてるんだよね?」
怜「生きてるよ。血が足りてないから寝てないと貧血起こすよ。」
そう言われて素直にベッドに戻る十束多々良。
多々良「・・・助けてくれて、ありがとう。」
怜「残念だけど私は優しいだけの人間じゃないの。」
だから、貴方を吠舞羅に返す事は今はしない。
多々良「・・・理由がありそう、だね?」
怜「理由もなくそんな事すれば犯罪ね。」
多々良「君は辛辣だねぇ。」