My important place【D.Gray-man】
第39章 夢現Ⅲ
「ワタシが御主の傍にいよう。だから悲しむ必要などない」
顔を上げる
眩い光が遠のいて、辺りは真っ暗な闇に包まれる
そんな景色が塗り替わると同時に見えたのは
金にも白にも見える色素の薄い髪に、ターバンのようなものを巻いて
額に目玉のような模様を掲げた、知らない青年の姿
…あ
違う
知ってる、この人
「だから今の自分を認めてやれ。受け入れてやれ。でなければ、御主が苦労するだけだ」
苦労する?
…それってどういうこと?
「どういう意味?」
「………そのうちにわかる」
問いには答えてくれなかった
代わりに少しだけ眉を下げて、どこか哀しそうに笑って
近付く顔
不思議な模様をした額が、そっと額に重なる
──ィイイン…
何処かで聞いたことのある音が する
「ボンドムのメモリーが残っておるな…ワタシができ得る限り取り除いておこう」
「ぼんどむ…?」
「じゃからその姿をあの者に曝け出すのは止めよ。悪い方向にしか向かわん」
「……」
なんだろう
言ってることはよくわからないのに
なんだか嫌なことを言われてる気がする
私が必死で固めた思いを
否定されているような
そんな、感覚
「……ぃゃ」
目の前の胸を押し返す
離れる額
…やめて
そうやって私の中を好き勝手に掻き回すのは
「触らない、で」
「…雪…」
後退りながら耳にした名前
──そうだ
私の名前は"雪"
そうだった
思い出した
「私は、私。…月城雪。それ以外の何者でもない」
「…そうじゃが、御主は──」
「やめて。言わないで」
咄嗟に耳を塞ぐ
聞きたくない