My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「成程。確かに今の雪なら、アレンを捜し出せるかもしれないであるっ」
「確かに、狼は犬より優れた嗅覚を持っていると言いますしね」
「ちょっと待って。本気で言ってるの?私の鼻が狼のそれと一緒だって」
パァッと輝くばかりの笑顔なクロウリーと、顎に手を当て観察してくるリンクは、どうやらティモシーの言葉に賛同派らしい。
慌てて待てとストップを掛ける雪は、自分自身の体のことだというのに自信のない顔をしていた。
「試してみる価値はあるんじゃないか?」
「そうね。アレンくんを捜し出さなきゃ、教団に帰れないし」
「別にあんなモヤシ置いてったっていいだろ」
「駄目よ!アレン君一人にさせたら何処に向かうか…アレン君嫌いなのは知ってるけど、別に神田に捜せなんて言ってないでしょ」
マリとミランダも賛同する中、神田だけは乗り気ではないらしく。
ぼそりと冷たい言葉を吐き出せば、即リナリーのお叱りを喰らってしまった。
リナリー相手だと強く出られない神田は、渋々ながらも口を閉じる他ない。
「ということで、頼んださ雪」
「えぇっ!?皆本気で言ってんの!?確かに鼻はいつもより利くみたいだけど、こんな人混みからアレンを捜し出せるかどうか…っ」
「ダイジョーブ、ものは試しだって。なっ」
「その目めっちゃ好奇心湧いてる!ただ見てみたいだけでしょ絶対!」
「そんなことないさー」
「嘘くさ!」
ぽんぽんと雪の肩を叩くラビの上を旋回していたティムが、不意にすぃ、と雪の元へと舞い降りてくる。
「ガァッ」
「何ティム…って、」
ギザギザの口に、アレンの私物らしい手袋を咥えて。
「まさかこの匂いを辿って捜せと?」
「ガァアッ」
「ティムまでそんなこと…」
「なんさ、雪はアレンを放っとくんか?ユウの傍にいて性格までユウ似になったのかよ。蕎麦好きモヤシ嫌いな」
「それはない」
「オイ」
あーあ、と溜息混じりに肩を落とすラビに、即刻否定する。
そんな雪に神田が突っ込むも、肯定する気にはなれなかった。
想い人は神田だが、蕎麦も好きにはなったが、決してモヤシ嫌いではない。
モヤシは時に蕎麦にも合う、万能食材だ。