My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
足の付け根近くに触れていた唇は、核心に触れることなくやがて離れていく。
どこへ向かうのかと思えば、膝小僧に口付けて、脹脛を辿って。
「…そこ…汚い、よ」
辿り着いたのは、枷の嵌められた足先だった。
上半身を起こして、持ち上げた足の甲に恭しく口付けてくる。
流石に足を舐めるなんて行為、悪い気がして止めに入ってしまった。
でもユウはちらりと目線を寄越しただけで、その行為を止めはしなかった。
まるで見せ付けるように、舌が足の指を一つ一つ辿っていく。
流し目で寄越される欲付いた色の切れ目。
薄い唇から差し出された赤く濡れた舌先。
な、なんだろう…色気が、半端ないんですけど…。
足先を愛撫するユウの姿を、シーツに沈んだまま見上げて…こくりと、唾を呑み込んだ。
火傷の手当てをされる前に、体は婦長さんに隅々まで綺麗にしてもらった。
綺麗にしておいてよかったなぁ、なんてそんなことを場違いに思っていると、いつの間にか足を往復して戻ってきたユウの唇が、内太腿に強く吸い付いた。
「ん…っ」
ちり、とした微かな刺激。
見なくてもわかる。多分、そこには内出血の跡ができたはず。
ユウが時々肌に刻んでくる行為の証だ。
そのまま唇が上がって、また胸へと戻ってくるかと思えば刺激は予想外のところにあった。
ショーツの縁を辿るように柔らかい唇が触れて、思わず足を閉じそうになる。
止めたのは間に割り込んでいるユウの顔と手。
閉じられない足の付け根に近付く顔に、吐息が過敏になってる箇所に吹きかけられる。
か…顔、近い…っ
「濡れてる」
じっとショーツに目を向けていたユウの口から、ぽそりと告げられた言葉。
わかっていたけど、はっきり伝えられるとカッと顔が熱くなった。
「あ、あんまり顔近付けちゃ…ぁっ」
近過ぎる距離に離れようと腰を退けば、追いかけるように身を乗り出したユウの唇が──
ちゅ、とそこにキスを落とした。