• テキストサイズ

【薄桜鬼企画】盧生の夢

第3章 もう一つの月見日和


ここ暫くより市中が少し寂しく感じるのは、祇園祭が終了して間もなくの事だったからだろう。

ただし、賑わっていようがそうでなかろうが、新選組の役割は何も変わることは無い。

それでも今日はあまり気にする事もない。風は優しく背中を押していく。

何処か暑さが抜けた風は、季節の節目を覚えるものだ。

「一君と非番の日に一緒に出かけるなんて、珍しい事もあるんだね。」

「市中に出向くついでにと使いを頼まれたのだが、どうも菓子には疎く、先日も批判の声が上がっていた。」

「ははっ、そういえばそうだったね。平助とか新八さんはやたら文句零してたけど、近藤さんの計らいで何とか完食したって感じだったしね。」

「ああ。何度も同じ失敗をしては皆に顔向け出来ん。故にお前に助言をと思ったのだ。」

「要らないところでも真面目だね。まあ、一君が失敗するところなんて物珍しいし、僕は新鮮で面白かったけどなぁ。」

からかいつつも律儀に付き合う様子を見ると、同じ思想を掲げ続けた大切な同士である事も伺える。

人斬り集団とは言われたものだが、この様なところを見ると、その考えも改めなければいけないのかもしれない。

「ところで総司、何処で茶菓子を調達するつもりなのだ。」

「船橋屋ってお店だよ。そこのお饅頭が結構美味しいって評判なんだよね。蕨餅も中々みたいだけど、今日はお饅頭。」

「成る程。覚えておこう。」
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp