第26章 再会
「…大丈夫さ?」
小さく震える手を伺うように握られる。
…違う。
この震えは"私"のものじゃない。
一瞬見えた知らない光景も。
じわじわと引き摺り込まれるように、同調した思いも。
この震える体も。
全部、"あの子"のものだ。
「…ラビ、」
握られた手の中で、ぎゅっと拳を作る。
「"あれ"、見えてた?」
「あれ?」
ふと疑問が湧く。
そういえばラビは見えていたのかな。
私が見たものたちを。
私を助けてくれたのなら、私に纏わり付いていたものも見えていたはず。
「あー…、多分?」
あれがどういうものか上手く伝えられずにいると、なんとなしに理解したのか。
ラビは思い出すように宙を見上げながら呟いた。
「南を見つけたと思ったら、なんかぼんやりした黒いもんが体覆ってるし。あれ、ヤバいもんだったんだろ」
「っそこに男の子は?見えた?」
「男の子?…いや、見てないさ」
ラビには見えてない。
あの黒い影の塊しか。
…でも確かにそこに、あの子はいたはず。
「………」
「…南?本当に大丈夫さ?」
地面を見据えて考える。
そうして黙り込む私の手を、ぎゅっとラビの手が握った。
「…ラビ、」
「?」
「確かめなきゃ、いけないことがあるの」
視線を上げて真っ直ぐにラビを見据えて伝える。
するとまるでその言葉がくるのを知っていたかのように、ラビは意外にもすんなりと頷いてくれた。
「どうやら、そのようさな」
「え?」
「オレもさっきのAKUMAのことで、どーにも腑に落ちないことがあって」
握った手をそのままに腰を上げるラビ。
引かれるままに立ち上がり彼を見上げる。
…ラビも何か見たのかな。