第4章 夏の風景
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大倶利伽羅に言われた通り、男は鶴丸国永の部屋へ向かっていた。
どうやら鶴丸国永は寝酒をしているらしく、部屋の前の縁側で飲んでいるとのことだった。
男の本丸には、大広間や湯殿などを除いて約三十近くの部屋がある。
本丸によっても部屋の数や大きさは疎ららしく、こんのすけ曰く審神者の霊力に比例しているらしい。
男は霊力の量だけでいうと、それこそ何百万人に一人と言われるほど多いとか。
しかし量だけあってもだめなのだ。
現に男は、量の多さだけで言えば審神者の中でもかなりの上位な筈なのに、技術がない為結局中の上といったところ。
宝の持ち腐れである。
話が逸れた。
男の本丸では特に決まった部屋割りというのがない。
一人部屋のものもいれば、刀派で固まるもの、元主が同じもの同士で固まるもの、様々だ。
鶴丸国永は、一人部屋を使用しているうちの一人だった。
一人部屋と言っても、彼はいつもそこで寝るわけではない。
自室で寝るのは週の半分ほどで、他は違う刀の部屋にお邪魔しているという。
彼らしいと言えば彼らしいが。