第5章 再開
「…き…!?…さ…」
「赤…落ち着い……」
ボンヤリとだが意識が回復してきた。
「…で…なり…」
完全に回復しているというわけではないらしい。
ボンヤリと見えてきた目をこらすとここが体育館であることがわかった。
おそらく音楽室でのショックが強すぎて失神したのだろう。誰かが私を運んでくれたらしい。
まだショックがあるのか体がフワフワした感じだ。寝転んでるんじゃなくて誰かに支えられてるなーと思えば征十郎だ。
「桃井、咲姫を頼む。」
「まかせてっ!」
いなかったはずのさつきちゃんがいた。さつきちゃんも来ちゃったんだ…。
マネージャーらしくテキパキと介抱してくれるので、少し気は楽になった。
「咲姫ちゃん?わかる?さつきだよ?」
「うん…わかる…」
「あ、意識はあるね。よかった~。赤司君達から話し聞いて心配してたんだよっ!相変わらず無茶ばっかりするんだから!」
「んー?……私って無茶ばっかしてる?」
「え!?無自覚なの!?」
え、待って。真剣に待って。
「鍵のことだって言ってくれれば良かったのにさっ!」
そんな私のシンキングタイムは無邪気にやってきた葉山先輩によって阻止された。
「もうちょっと頼ってってことだよ!ねっ!赤司?」
「そうだな。僕も金輪際こんなことはやめてほしい。」
「はい…」
三人の優しい言葉になんだか安心して眠くなってきた。
「眠いのか?」
「ん…おやすみ…」
「あぁ。おやすみ。」
頭に征十郎の手の体温を感じながら私の意識は落ちていった。