第4章 夏休み開けて
霧が晴れる頃に 99話 誕生日会で
そんなこんなで、ゴタゴタはあったが取り合えず林にアイスをこっそり渡し、後で出すように言ってからお菓子を囲んでの誕生日会を始めた。
誕生日会といってもほとんど遊んでいるだけらしく、仁達も話しをしながら用意されたスナック菓子をパリパリ食べる。
「仁、お前、雪原さんとくっついたの昨日?とっくに付き合ってると思ってたし」
「ね、ね、どんな風に付き合ったの!?ていうか、どっちからコクったの!?」
慶と林にあまり突っ込まれたくないところを聞かれ仁は頭を抱えて少し押し黙る。
(どっちからって………楓からだな…)
改めて昨日の出来事を思い出し、少々顔が熱くなる、ふと隣の楓をチラリと盗み見ると楓も思い出しているのかオレンジジュースを飲みながらやはり少し頬を赤く染めていた。
ちなみに楓は炭酸が飲めない。
「あー、その質問はお答えしかねるな…お前らはなにかないのかよ、そういうのは」
話題を逸らす為に思い付くままに質問をしたが慶と林が思いのほか悩みはじめたので改めて自分の質問について考える。
(慶は普通に考えたら人気あるだろうし、そんな話しもあっていいと思うけど…でも確か前にコクり方が悪すぎてフラれるって話しもあったな…霙はその時そこそこコクられてるっていってただけか)
はるか前の慶と林の他愛ない会話を思い出す。
「俺はまぁ…ないな、はっきりいって、2回くらいコクって片方は付き合ったけど所詮あほな小学生だったし、なにもないまま別れを切り出されたよ」
若干遠い目をしながら語る慶の顔はわずかな悲しみが見える気がする。
「私も…」
前の会話では慶より優位に立っていた林だったが結局は同じようなものらしい、決まり悪そうに林らしくなくポソリと言った。
「林はダメだよな、何回か家に気があるっぽい男子連れてきた時にもドジりまくってたし、な、海」
「慶兄が、一生懸命フォローしてたな、無駄だったけど」
誕生日プレゼントだろう、先ほど開けた対人戦のゲームをしながら仁達の会話を聞いていたらしい海と空が恐らく小学生の時の話しだろう、林が慶と一緒に当時気があった男子を連れて来た時の様子を教えてくれる。
「海!空!!シーッ!」
手遅れだろうに、林が慌てて海と空の口を塞いだのだった。