第5章 さらば、もう一人の友よ
<side out>
一方、エクスタリアの目前までに迫った浮遊島にエクシード達はパニックに陥っていた。
「王国軍が攻めて来たー!」
「人間が攻めてきたぞー!」
「人間のくせにー!」
「エクシードに逆らうつもりかー!」
「女王様の力を知らない人間共め!!」
「今日こそ思い知るがいい!」
「きっともうすぐ出るぞ! 女王様の魔法が!!」
「でも…やるなら早く反撃して欲しいな」
「ビビる事はねぇ、俺達には女王様が付いてる!」
みんなが口々に「女王様が、女王様が…」と言葉を溢す。
しかしそんな様子をただ一人、ルークだけは冷めた目で眺めている。
「ラクリマがぶつかった…」
「まだよ! 島の縁で止まってるみたい」
「ごめんねシャルル…こんなはずじゃ…」
覚悟を決めて来たはずなのに、みんなを救うためにエクスタリアに来たはずなのに…シャルルの故郷を守るために来たのに…!
ラクリマの衝突を防げなかった事を悔い、目に涙を溜めるウェンディ。
だが、それをシャルルが「何言ってんの!」と一喝する。
「まだ諦めちゃ駄目! みんな聞いて!」
「まだいたのか堕天め!」
未だ諦めず、もう一度皆に語り掛けるシャルルに再び投げられる石。
「(ビクッ)!」
「ぼきゅん!」
しかしそれは急に割り込んで来たナディの頭によって遮られた。
それをルークは意外そうな目で見つめ、「ふーん…」と声を漏らした。
反対にエクスタリア国務大臣であるナディに石をぶつけてしまったエクシードは困惑と焦りの表情を浮かべ、戸惑いを見せていた。
「石は…投げたら危ない…よ…?」
「え?」
「ナディ様…!?」
「この人達はぼきゅたちに危険を知らせてくれたんだよ!
でも…誰も聞かなかったからこんな事になっちゃったんだ」
「何を言ってるんです!?」
「こんなの女王様の魔法があれば全然へっちゃら!」
「怖くなんてないっス!」
「さぁ早く…女王様ー!」
「えーと…その…」
「…本当にどこまでも救いようのない奴らだぜ」
ウェンディにシャルル、そしてナディの必死の訴えもエクシード達の耳には入らない。
こんな奴らいっそ全員滅んでしまえば良いんじゃないか…という考えがルークの頭を過るが、恐らく両方のアギトはそれを望まないだろうと思った。